不動産担保ローンの審査に差がつく!評価額を高めるテクニックを徹底解説

不動産の評価額を高めるテクニック

担保となる不動産の評価額は、ローンの審査や適用金利に直結する重要な要素です。

不動産担保ローン」というくらいですから、担保不動産の価値次第で借入上限金利も変わってきます。

こちらでは、不動産評価を高めるテクニックについて考えてみたいと思います。

不動産評価の基本を知ろう

まず前提として、不動産の評価方法を簡単に押さえておきます。

不動産は大きく「土地」と「建物」に分けて評価されますが、それぞれ評価の基準が異なります。

土地の評価

一般的に税務上の「路線価」が用いられ、公示地価や基準地価の約8割程度の水準になります。

路線価は毎年国税庁が発表するもので、場所ごとの標準的な土地価値を示したものです。

金融機関はこの路線価や独自のデータを参考に土地の担保評価額を算出します。

建物の評価

新築時の価格(再調達価格)を基準に、経年による価値減少を考慮して算定します。

具体的には建物の構造延べ床面積築年数法定耐用年数などから評価額が決まります。

木造なら法定耐用年数は約22年RC造なら47年などと決まっています。

この耐用年数を超えた建物は評価額がゼロと見なされる場合もあります。

例えば築30年の木造一戸建てなら、耐用年数22年を超えているため建物部分の評価はゼロ、担保評価は土地のみとなる可能性があります。

こうした基本を踏まえると、「古い建物は評価されにくい」「土地の価値が物を言う」といったことが分かります。

しかし、不動産の評価額は持ち主の努力次第で上げることも可能な場合があります。

リフォーム・修繕で建物価値アップ

築年数が経過している物件でも、適切なリフォームや修繕を行うことで建物の価値を高められることがあります。

例えば、水回りを新調したり耐震補強を実施したりすれば、単純に古い状態より市場価値は上がります。

金融機関の担保評価も、そうした改良がされていれば「この建物はまだ十分使える」と判断してくれるでしょう。

実際、古いアパート物件に自費でリノベーションを施し、評価額アップに成功した不動産投資家もいます。

必ずしも大掛かりなリフォームでなくても、日頃から建物を良好に維持管理しておくことが重要です。

屋根や外壁に破損があれば修繕する、室内外を清掃して綺麗な状態を保つ、不要物を撤去して空きスペースを整頓する、庭木の剪定をする等、地道なケアが評価時に効いてきます。

評価に来るのは人間ですから、見た目がボロボロの家より手入れが行き届いた家のほうが、印象も良く評価も上がりやすいのは想像に難くありません。

ココがポイント

担保評価の際には金融機関の担当者が現地を確認するケースがあります。

そのとき「大事に管理されている物件だな」と感じてもらえるかどうかは意外と大事です。

逆にほこりまみれで雨漏り跡だらけ…では評価額にも響くでしょう。

普段からの心がけで不動産の価値を高めることはそれほど難しくない」と言われるゆえんです

複数物件を組み合わせる

もし一件の物件だけでは評価額が不足する場合、複数の不動産を担保に提供する手もあります。

例えばメインの物件が郊外で評価額が伸びないなら、別に所有する都心の区分マンションなどを追加担保に入れることで、合算評価額を引き上げられます。

評価額が上がれば前述のようにLTVが下がり、低金利に繋がりやすくなります。

もちろん複数担保にするということは、万一返済不能になった場合にそれら全てを処分されるリスクもあるため慎重な判断が必要です。

しかし、「どうしても希望額を借りたいが単一担保では評価が足りず金利も高めに設定されてしまう」というときには検討する価値があります。

特に事業資金調達などでまとまった額が必要な場合、メイン物件サブ物件で担保提供する事は珍しくありません。

その際、できるだけ評価の高い組み合わせにするのが肝心です。

エリアの将来性をアピール

土地の価値については所有者個人では左右できない部分も多いですが、周辺環境の将来性をさりげなくアピールするのも手です。

例えば「近くに新駅の計画がある」「大規模商業施設の建設予定がある」などポジティブなニュースがあれば、担当者との会話の中で触れてみると良いでしょう。

公式な評価基準には入らないかもしれませんが、「このエリアは今後伸びるかも」という印象を持ってもらえれば、心証としてプラスに働く可能性があります。

まとめ:価値を高める努力が信頼につながる

以上、不動産評価を高めるテクニックを紹介しました。

要は「不動産の価値担保力」を上げる努力をしましょうということです。

これらの取り組みは単に評価額アップだけでなく、「この借り手はきちんとしている」という信用力アップにもつながります。

銀行は総合的に「この人に貸して大丈夫か?」を見ていますから、物件も人も信頼できるとなれば鬼に金棒です。

実践できることから少しずつ取り組んでみてください。