不動産担保ローンで「できるだけたくさん借りたい」という場合、各社の融資可能額の上限が気になるところだと思います。
借入限度額は金融機関ごとに設定がありますが、不動産評価額や本人の返済能力によっても左右されます。

ノンバンク系で高額融資を行っているところは?
一般的に、銀行系の不動産担保ローンは上限1億円程度の商品が多いのに対し、ノンバンク系では上限5億円程度と高めに設定されています。
実際、「AGビジネスサポート」、「ユニバーサルコーポレーション」、「セゾンファンデックス」はいずれも最大5億円まで融資枠があります。
さらに「アサックス」は最大10億円まで対応可能で、これは個人向け不動産担保ローンでは最高水準です。
高額な商業ビルや複数物件をまとめて担保提供すれば、数億円単位の資金調達も現実的になります。

銀行系で高額融資を行っているところは?
銀行系でも信託銀行や一部のネット銀行は上限を1億円以上に設定している場合があります。
例えば「オリックス銀行」は2億円以内、「住信SBIネット銀行」も1億円未満ですがほぼ1億円近くまで借入可能です。
「SMBC信託銀行プレスティア」の不動産ローン(不動産投資目的ですが)は最大1億円まで借入可能で保証料ゼロといったメリットもあります。
とはいえ銀行は個人に対して億単位を貸すのは慎重で、実際には年収や資産背景から見て妥当な範囲内に収まることが多いです。

担保掛目と融資額について
上限額いっぱいまで借りられるかは、担保不動産の評価と掛目によります。
金融機関は担保評価額に対し一定の割合(掛目)までしか融資しません。
通常は評価額の70~80%程度が掛目ですが、一部ノンバンクでは80%超を設定するところもあります。
例えば評価1億円の不動産なら、普通は7000~8000万円までの融資が目安ですが、掛目90%なら9000万円近くまで借りられる計算です。
高額融資を引き出すには掛目が大きい金融機関を選ぶこともポイントになります。

高額融資の注意点について
大きく借りればその分返済負担も大きくなります。
また不動産価格が下落すると、借入額とのバランスが崩れてリスクが高まります。
ノンバンク系では、元利の支払いに窮すると他社への借り換えを次々提案され、手数料を重ねて最終的に不動産を手放す羽目になる、といった指摘もあります。
高額の借入をする場合こそ、綿密な返済計画と出口戦略を考えておくことが重要です。

高額融資に定評のある金融機関としては、「AGビジネスサポート」(最大5億)、「ユニバーサルコーポレーション」(最大5億)、「セゾンファンデックス」(最大5億)、「アサックス」(最大10億)のほか、企業オーナー向けでは、「オリックス銀行」(最大2億)などが挙げられます。
事業法人であればメガバンクや日本政策金融公庫などから数億円以上の融資も選択肢に入りますが、個人で不動産担保ローンとなると上記のような専門会社のほうがハードルは低いでしょう。
