不動産担保ローンが返済困難に!延滞前にすぐ取るべき行動と絶対NG行動について

不動産担保ローンを滞納しそうな場合について

質問1

不動産担保ローンの返済が難しくなってきました。
延滞しそうな場合、具体的にどう対処すればいいですか?

回答

返済が苦しくなったら、できるだけ早く貸主(金融機関)に連絡するようにして下さい。

残高不足で引き落としができなかった場合でも、すぐ事情を説明すれば柔軟に対応してくれる場合があります。

放置が一番良くありません。

金融機関としても、いきなり担保を競売にかけるより、まずは話し合いで解決を図りたいのが本音です。

具体的な対応策について

返済猶予や条件変更の交渉

このままだと遅れそう」という段階で相談すれば、金融機関によっては一時的に利息だけの支払いに切り替えてくれたり返済期間を延ばして月々の負担を減らす措置(いわゆるリスケジュール)に応じてくれる場合もあります。

特に銀行などでは住宅ローンの条件変更は珍しくありません。

不動産担保ローンでも事業資金目的で借りていた場合など、業績回復見込みがあれば一定期間返済を軽くしてくれる場合があります。

まずは正直に「今後◯ヶ月間は〇〇の理由で厳しいが、その後は改善する見込み」など具体的に相談してみましょう。
支出の見直し・資金繰り調整

家計や事業の収支を洗い出し不要不急の支出を削減して返済に充てる努力も必要です。

例えば倹約や一時的な副収入確保で捻出できる金額を増やせないか考えます。

また、他に保有資産があれば売却して返済に充てることも検討してください。

自家用車やバイクなど、不動産以外で売れそうなものがあるなら早めに現金化して返済に回すのも手です。
他のローンで借換え

今の金利や条件が厳しい場合、別の金融機関で借換えできないか検討してみて下さい。

例えば銀行からノンバンクに借り換えて毎月の返済額を減らす、といった方法です。

ただし不動産担保ローンの場合、借換えには今の貸付先の抵当権を外してもらう必要がありハードルは高めです。

信用力が落ちていると借換え自体難しいので、選択肢としては簡単ではないことを覚悟しましょう。
共借人・保証人への相談

もしローンに連帯保証人や共同名義人がいる場合、自分だけで悩まず早めに相談してください。

家族や親族であれば、一緒に対策を考えることができます。

最悪、保証人に迷惑をかけてしまう可能性もあるため、「実は支払いが厳しい」と打ち明けづらいかもしれませんが、放置すればいずれ保証人に請求が及びます。

関係がこじれる前に話し合っておくことが大切です。
公的な相談窓口の活用

各地の消費生活センターや自治体では、多重債務者向けの無料相談会を開催しています。

また、日本司法支援センター(法テラス)弁護士会法律相談も利用できます。

専門家に相談すれば、債務整理など適切な手続きをアドバイスしてもらえます。

自分ではどうにもならない」と思ったら、一人で抱え込まずプロに頼りましょう。

質問2

絶対にやってはいけないNG行動はありますか?

回答

いくつかあります。
返済のためにヤミ金に手を出す

審査なしで即融資」などという貸金業者は、間違いなく違法業者です。

担保ローンの返済に行き詰まっても、闇金融から借りて穴埋めするのは最悪の選択です。

違法業者は法外な金利で追い込み、担保不動産にも容赦なく手を付けようとします。

広告で「ブラックOK」「誰でも○○万円貸します」といった甘い文句をうたう業者には絶対に近寄ってはいけません。
クレジットカードのリボ払い・キャッシングで凌ぐ

その場しのぎでクレジットカードのキャッシング枠やリボ払いを使い倒すのも危険です。

一時的に返済原資を確保できても、高金利の借金が雪だるま式に増えてしまいます。

結局、状況を悪化させるだけなのでおすすめできません。
金融機関からの連絡を無視する

支払いが遅れると金融機関から電話や郵便で連絡が来ます。

それを怖がって無視すると、相手も「支払いの意思なし」と判断して法的手続きに踏み切らざるを得なくなります。

催告書(督促状)に返答しないまま放置すると、やがて裁判所経由で競売手続き開始通知が届くでしょう。

こうなると事態を挽回するハードルが一気に上がります。

苦しくても、金融機関とはきちんと向き合いましょう。
保証人に内緒で延滞を続ける

上述のとおり、保証人がいる場合はいずれ肩代わり請求が行きます。

保証人はある日突然あなたの延滞を知ることになり、精神的金銭的負担を強いられます。

信頼関係を損ねるばかりか、場合によっては法的トラブルにも発展しかねません。

そうなる前に正直に現状を伝え、協力してもらえる部分はお願いするのが賢明です。

質問3

最悪返済できなくなったら、どうなりますか?

回答

担保ローンの場合、返済不能になると最終的には担保不動産の処分で清算することになります。

具体的には、金融機関が裁判所を通じて競売を申し立て、あなたの不動産が競売にかけられます。

競売で売却されたお金からローンの残債に充当され、不足があれば引き続き返済義務(または保証人への請求)が残ります。

競売に至る前に、任意売却という手段を選ぶこともできます。

任意売却なら市場価格に近い金額で売却できる可能性があるため、残債をより減らせるメリットがあります。

競売よりあなたの意思を反映できますし、引っ越し時期の相談にものってもらえます。

返済が絶望的になったら、競売に追い込まれる前に任意売却を検討するのが望ましいです。

物件を手放した後、それでも残った債務については法的な債務整理も選択肢です。

収入や負債額によりますが、任意整理(貸主と話し合い分割払い)、個人再生(裁判所の手続きで債務大幅圧縮)、自己破産(債務全免除)といった方法があります。

例えば、個人再生では住宅ローン特則を使えばマイホームを残して他の借金だけ圧縮することもできますが、すでに家を手放した場合は残債自体を大きく減額してもらう再生計画を立てる形になります。

自己破産になれば残る借金も帳消しになりますが、5~10年間は新たな借入れが非常に難しくなるなどデメリットも大きいです。

どの手段が適切かはケースバイケースですので、弁護士等の専門家に相談しながら決めると良いでしょう。

繰り返しになりますが、何もしないで放置するのが最悪の結果を招きます。

競売になれば強制的に家を失い、しかも安値で売られるため多額の借金だけ残る恐れがあります。

そうなる前に金融機関と協議し、自主的に手を打つ方がダメージは小さくて済みます。

辛い状況とは思いますが、適切な対処をすればやり直しも可能です。

一度ブラックリストに載っても5年~10年も経てば信用情報もクリーンになりますし、債務整理を経て再スタートした方も大勢います。

命まで取られるわけではありませんから、深刻に考えすぎず「次どうするか」を前向きに検討してください。