高齢者が不動産担保ローンを利用する際には、住まいを失うリスクに配慮しつつ安全に活用することが大切です。

千葉県にお住まいの小林さん(仮名75歳男性)の場合
妻に先立たれ、一人暮らしとなった小林さんは、老後資金や介護サービス利用料の捻出のため、自宅を活用することにしました。
子供は遠方にいるものの持ち家は残しておきたいという気持ちがあり、そこで銀行のリバースモーゲージではなく、あえて通常の不動産担保ローンでの資金調達を選びました。

自宅の評価額は十分高く、小林さんはその評価額内で生活費数年分にあたる1,000万円の融資を受けました。
契約では毎月利息と元金の一部を返済していくごく普通のローンですが、小林さんは借入金を安全に運用する工夫をしています。
必要になる生活費は年額で見積もり、それ以外の借入金は極力使わず手元に置いておくことで、計画以上の支出を抑制しています。
また、お子さんたちにも事情を説明し、一部資金は将来相続分から差し引く形で了承を得ました。

「自宅を活用して得た資金があるおかげで、金銭面の不安が減りました。万一自分に何かあっても家を売れば返済できますし、精神的なお守りですね」と語っています。
高齢者が不動産担保ローンを利用する際に安全性を高めるポイントは、無理のない借入額と確実な返済プランです。

小林さんのように家族と事前によく話し合い、資金の使途と返済計画を共有しておくことも安心につながります。
また、高齢者向けの不動産担保ローン活用法としては、リバースモーゲージも代表的です。

そのため、「配偶者に持ち家を残したい」という場合には、小林さんが選択したように通常の不動産担保ローンを検討することも一策です。
実際、売却予定の自宅を担保に一時的に資金を借り入れ、高齢者用住宅への入居費用に充てた例もあります。
この方は住み替え後に元の自宅を売却してローンを一括返済し、スムーズに安心できる住まいへ移行できました。
