銀行系で不動産担保ローンを探している場合は、都市銀行・地方銀行・信託銀行・ネット銀行などが提供を行っています。
銀行の不動産担保ローンは、低金利で安心感がある一方、審査が厳しめで融資まで時間がかかる傾向があります。

金利の低さと返済負担の軽さ
銀行は貸し倒れリスクが小さい分、金利を低めに設定しているといった特徴があります。
たとえば都市銀行系では年1%前後という超低金利の商品もあり、ネット銀行の「楽天銀行」では2025年6月適用金利が年1.75%~10.51%(固定5年見直し)と案内されています。
これは同じ不動産担保ローンでもノンバンク系の最低金利2.5%前後より大幅に低く、返済総額を抑えられる利点です。

長期の借入と安定した返済
銀行系の不動産担保ローンは最長30~35年程度の長期返済が可能な商品が多く、月々の返済額を抑えられるのも特徴です。
例えば、三井住友信託銀行グループの「L&Fアセットファイナンス」では最長35年の返済期間を設定でき、年3.39%の金利で35年の返済なら、1000万円を借りた場合、月々の返済は約4万円に収まります。

高額融資への対応
銀行は自己資金力が大きく、一件あたりの融資上限額が高額です。
一般的に銀行系不動産担保ローンの利用限度額は1億円程度とされています。
不動産評価次第ではさらに借りられる可能性もあり、担保価値が十分なら年収の3分の1超の借入も銀行なら可能です。
銀行は貸金業法の総量規制対象外のため、個人が自宅を担保にして年収の1/3を超える融資を受けることも可能です。

安心感と信頼性
預金も扱う銀行は信頼性が高いと感じる方が多く、「なんとなく銀行のほうが安心」という心理面でのメリットも大きいです。
実際メガバンクや大手信託銀行は知名度も高く、ローン利用中もトラブル時の対応やサービス面で安心感があります。

手続きの厳格さ
一方で銀行は審査基準が厳しく、融資実行まで時間がかかる傾向があります。
銀行では担保不動産の評価に加え、借り手の収入や信用情報を厳格に審査し、さらに保証会社の保証を付けることも多いため、審査~契約に時間を要します。
目安として融資実行まで2週間~1ヶ月程度はみておく必要があります。

審査ハードルの高さ
銀行では返済能力や信用情報を重視するため、属性(年収・勤続・信用情報)審査が厳しいのが特徴です。
延滞歴があったり、他社借入が多かったり、不動産以外の信用に問題がある場合は、せっかく不動産担保があっても銀行融資は難しいことがあります。
また担保不動産についても、借地権付きや建ぺい率オーバー物件など「既存不適格」な不動産は銀行では担保に取らないのが一般的です。

資金使途や保証の制約
銀行の不動産担保ローンは原則用途自由ですが、中には資金使途に制限を設ける商品もあります。
例えば一部の銀行では開業資金や納税資金としての利用を認めない場合もあり、事業目的には別商品の紹介となることもあります。
また銀行利用時は多くの場合で保証会社の保証を付けるため、保証料や保証事務手数料が発生する場合があります。
例えばSMBC信託銀行(プレスティア)の不動産ローンでは保証料0円ですが、一般的な住宅ローンでは保証料が必要になることも多いです。

以上のように、銀行系ローンは「低金利で長期借入ができるが、審査が厳しく時間がかかる」という特徴があります。
高額の借入を安い利息で行いたい場合や、信用情報に問題がなく標準的な不動産を担保にできる場合は、まず銀行系のローンを検討すると良いでしょう。
