初心者でもわかる!不動産担保ローンの重要用語30選をやさしく解説

初心者でもわかる!不動産担保ローンの重要用語30選

不動産担保ローンには専門用語が多く出てきます。

初心者の方でも理解しやすいよう、よく出てくる用語をピックアップしてわかりやすく解説します。

これを読めば契約書や説明資料の内容もスムーズに頭に入るはずです。

担保(たんぽ)

債務者が借金の保証として提供するもの。
不動産担保ローンでは土地や建物など不動産が担保です。

万一返せない場合に換金される「保険」のようなものです。

抵当権(ていとうけん)

担保に提供された不動産について、債務の返済がされないときにその不動産を競売して優先的に弁済を受ける権利。
ローン契約時に金融機関が設定し、法務局に登記されます。

返済中は抵当権が付いた状態で、完済すると抹消できます。

根抵当権(ねていとうけん)

継続的な取引から生じる不特定の借入(将来債権)を担保する抵当権。
極度額(上限額)を決めて設定します。
事業者向け融資で、借りたり返したりを繰り返す場合によく使われます。

一種の「包括的な抵当権」です。

第一順位・第二順位

抵当権には順位があります。
第一順位が最優先で弁済を受け、残ったら第二順位へ…という順です。
通常、新規の不動産担保ローンは第一順位で設定されます。

既に住宅ローンが第一についていると、新ローンは第二順位以下になりますが、多くの金融機関は敬遠します。

借換え(借り換え)

他のローンを返済するために新たなローンを組むこと。
おまとめとも言います。

不動産担保ローンで高金利のカードローン等を一括返済し、金利負担を減らすケースなどがあります。

金銭消費貸借契約

お金の貸し借りに関する正式な契約のこと。
ローン契約書の正式名称で「金消契約(きんしょうけいやく)」と略されます。

利息や返済方法など全て明記されます。

約定返済

契約で定めた計画通りに返済すること。
毎月○日に○○円支払う等、決まった返済を指します。

約定」は約束の意味です。逆に臨時で返すのは「任意返済」と言ったりします。

元利均等返済

毎回の返済額(元金+利息)が均等になるよう計算された返済方式。
一般的な住宅ローンや多くのローンで採用。

初期は利息が多く元金がなかなか減らないが、返済額が一定なので計画が立てやすいです。

元金均等返済

毎回の返済で元金部分が均等になる返済方式。
はじめに返済額が大きく、徐々に減っていきます。

トータル利息は少なく済むが初期負担が重いのが特徴です。

期限一括返済(バルーン払い)

期間中は利息のみ、または利息+一部元金を払い、満期(期限到来時)に残りの元金をまとめて返す方法です。
短期のつなぎ融資で使われます。

月々は楽ですが、満期にドンと返す資金計画が必要です。

繰上返済

約定より早く一部または全額を返済すること。
繰上返済するとその分利息を節約できます。
全額繰上して契約を終了するのを完済(早期一括返済)と言います。

繰上返済手数料がかかるかどうかは金融機関次第です。

期限の利益

分割払いなど期限が来るまでは一括請求されない権利のこと。
期限の利益を享受するとは、ローン契約で決められたスケジュールで返済していれば一度に全部返せとは言われない権利、という意味です。

延滞するとこれを失います。(期限の利益喪失)

遅延損害金

支払が遅れた場合に課されるペナルティ金利。
契約書に年○○%と定められています。
法定上限は年20%(貸金業法)ですが、有担保貸付では20%を超える設定も許容されています。

ただ、実務上は年14%程度に設定されることが多いです。

信用情報(個信)

個人の借入や返済の履歴を蓄積した情報。
金融機関は審査時に信用情報機関に問い合わせて申込者の他社借入や延滞歴などを確認します。

延滞や債務整理の記録があると「ブラック」と言われ、融資が難しくなります。

保証人・連帯保証人

第三者が債務の返済を保証すること。
不動産担保ローンでは通常、担保提供者=債務者本人なので保証人は不要です。
ただし担保提供者が別人の場合、その人は物上保証人となりますし、場合によっては別途連帯保証人を立てるケースもあります。

例えば法人が借りて代表者個人が連帯保証する、といった形です。

物上保証人

自分は借金をしないが、自分の所有物を他人の借金の担保に提供する人。
例えば親の土地を子どもの借入の担保に提供した親は物上保証人です。

保証人と異なり、お金を返す義務はありませんが、担保に差し出した物件を失うリスクを負います。

登記(抵当権設定登記)

抵当権を公的に記録することで、法務局で手続きします。
司法書士が代行するのが一般的です。
登記簿(登記事項証明書)に抵当権者や極度額などが載ります。

完済後は抵当権抹消登記を行い、きれいな状態に戻します。

登記済証 / 登記識別情報

通称「権利証」と呼ばれるもので、登記名義人に交付される証明書です。
抵当権設定時にも識別情報が関係します。

最近は権利証に代わり識別番号が発行されています。

路線価・公示地価・固定資産税評価額

不動産の価値を計る公的な指標。

金融機関の担保評価では、これらを参考にしつつ実勢価格を勘案して決めます。

積算価格(原価法)

土地と建物それぞれコストベースで算出する評価法。

担保評価の基本手法です。

収益還元法

不動産が生み出す収益から価値を算出する方法。

収益物件の担保評価で使われます。

融資額(貸付金額)・借入限度額

融資額は実際に借りる額。
借入限度額はその商品が最大で貸せる額や、審査上この人はいくらまでOKという上限額です。

担保評価額に掛目をかけて融資上限を決めます。

融資比率(LTV)・掛目

Loan To Valueの略で、担保価値に対する融資額の割合です。
これを日本語で「掛目(かけめ)」と言います。
例えば評価1億円の不動産に対し7,000万円貸すならLTV70%、掛目7割です。

一般に銀行は7割程度、ノンバンクでも8割程度が上限と言われます。

実行金利(適用金利)

実際に契約で適用される金利。
申し込み時や案内時の金利から、審査結果により多少変動することがあります。
融資実行日に確定するのが普通です。

5年毎見直し」「変動金利」等の場合、見直し時期で金利が変わります。

表面金利と実質金利

単に「金利○%」と言った場合は表面金利(約定金利)です。
実質年率は手数料等を金利に換算して含めたものです。
貸金業法では広告に実質年率を表示するよう義務付けています。

例えば金利5%手数料2%なら実質年率5点いくつ、という具合です。

遅延(延滞)

返済日までに入金が無い状態。
一定期間の延滞で期限の利益を喪失し、一括請求となります。

延滞情報は信用情報に記録されます。

競売(強制競売)

裁判所を通じて担保不動産を強制的に売却する手続き。
不動産担保ローンで返済不能になると、金融機関は競売申立てを行い、落札代金から優先弁済を受けます。

競売だと市場価格の7割程度に落札価格が落ち込むことも多いです。

任意売却(任意売却)

競売に頼らず、債務者が任意に不動産を売却して返済に充てること。
債権者(金融機関)の同意のもと、市場で通常売買します。
競売より高く売れる可能性があり、残債が減るメリットがあります。

返済困難になったら競売前に任意売却を模索することがあります。

リスケ(リスケジュール)

返済条件の変更のこと。
元金据置(利息のみ払い)や返済期間延長などで月々の負担を減らす措置です。
事業者向け融資で資金繰り悪化時に依頼します。

ただし不動産担保ローンでリスケに応じるかは金融機関次第で、あまり柔軟でない場合もあります。

代位弁済

保証会社が債務者に代わって返済すること。
住宅ローンには保証会社が付いており延滞が一定期間続くと代位弁済され、保証会社に債権が移ります。

不動産担保ローンでは通常保証人がいないため代位弁済の概念は薄いですが、第三者弁済で債権を肩代わりするケースを指すこともあります。

以上、主要な用語を説明しました。

初心者の方は特に「抵当権」「元利均等・元金均等」「競売・任意売却」あたりはしっかり理解しておくと良いでしょう。

契約書を読む際や、金融機関担当者の話を聞く際にも役立ちます。

分からない言葉が出てきたら、この用語集に戻って確認してみてください。