不動産担保ローンのメリットとデメリットを徹底解説!借りる前に必ず知っておきたいリスクとは?

不動産担保ローンのメリットとデメリットを徹底解説!

不動産担保ローンにはメリットもあればデメリットもあります。

こちらでは、その長所と短所を余すところなく徹底比較してみましょう。

他のローンにはない利点がある一方、注意すべき落とし穴も存在します。

良い面ばかりでなく悪い面もしっかり把握して、自分にとってプラスかマイナスか判断する材料にしてください。

不動産担保ローンの主なメリット

高額な資金を借りられる

担保とする不動産価値にもよりますが、融資額は数千万円から場合によっては1億円超に達することもあります。

無担保ローンではせいぜい数百万円~1,000万円程度が上限ですが、不動産担保ローンは桁違いの大口資金を調達できるのが大きな魅力です。

こんな大金、自分には借りられない」と思うような額でも、不動産価値次第では実現可能です。

例えば評価額5,000万円の土地があれば、その6~8割の3,000万~4,000万円程度まで借入できる目安になります。

実際に不動産担保ローン専門会社の多くが融資上限額を1~5億円程度に設定しており、事業規模の資金にも対応しています。

高額資金を手元に用意できるという点は、他の個人向けローンにはない不動産担保ローン最大のメリットです。

金利が比較的低い

無担保ローン(カードローンやビジネスローン等)に比べれば、圧倒的に低金利で借りられます。

例えば日本貸金業協会の統計では無担保貸付の平均金利14.93%に対し、有担保貸付の平均金利は3.66%とされています。

この有担保貸付には住宅ローン以外の不動産担保ローンも含まれますが、おおむね5~10%程度の金利帯が多いです。

中には銀行系で年2~3%台のものもあり、借り手の信用や担保評価が良ければかなり好条件で借入できます。

例えば楽天銀行の不動産担保ローン(金利1.64%~10.40%)や、地方銀行の有担保ローン(関西みらい銀行フリーローン不動産担保型は変動金利1.90%~9.00%など)があります。

不動産を提供する=貸す側の安心感が高い」ため、そのぶん金利面で優遇されるのです。
毎月の利息負担が少なく済むのは大きな利点でしょう。

長期の返済計画が立てられる

最長で20~30年という長期のローンにできる商品もあり、毎月の返済額を低く抑えながらゆっくり返していけます。

例えば3,000万円を借りても、返済期間を20年に設定すれば(元利均等返済・金利5%前後の場合)毎月の返済額はおおよそ20万円以下に収まります。

これを無担保ローン(例えば5年返済)で借りれば毎月の返済は数十万円規模になり、とても個人では返しきれない額になります。

返済期間の柔軟さと長さは、不動産担保ローンの重要なメリットです。

また、返済方法についても「元利均等返済」「元金均等返済」「期限一括返済」など選択肢があり、自分の資金計画に合わせて設計できます。

場合によっては当初は利息のみ支払い、後で一括返済というプランを組める商品もあり、資金繰りに余裕を持たせることも可能です。

審査に通りやすい(柔軟な審査)

一般に、担保がある分だけ審査のハードルが下がる傾向があります。

銀行の住宅ローンだと年収や勤続年数の要件が厳しかったりしますが、不動産担保ローンでは「担保価値さえ十分ならば収入面は多少緩和」といったケースも見られます。

実際、ある不動産金融会社の公式ページには「赤字決算や二番抵当でも借りられる」「銀行が担保にできない物件でも可能な場合がある」など、柔軟な審査を謳う文言もあります。

また、審査スピードも速いことが多く、申し込みから融資実行までが短期間で済む点もメリットです。

物件評価を自社で行うノンバンクなどでは、迅速に審査を完了してくれるケースがあり、「急ぎの資金調達に間に合った」という声も聞かれます。

掲示板の投稿では「不動産担保型は審査に時間かかるし費用もかかる。でも借りやすいし金利も安いから、急ぎでなければアリ」という意見もありました。

このように、多少時間や手間をかけてもいいから確実に借りたいという人にとって、担保があることで審査面の安心感が得られるのは大きなメリットと言えます。

用途が自由で使い道に融通が利く

繰り返しになりますが、不動産担保ローンは借りたお金の使い道が限定されません。

これ自体が一つの大きなメリットです。

例えば銀行の教育ローンやマイカーローンは用途が決まっていますが、不動産担保ローンなら複数の目的をまとめて資金調達することも可能です。

事業資金と生活費の補填と子どもの学費をまとめて借りたい」といった場合でも、一つのローンで一括して必要額を借りられます。

用途報告の必要も基本的には無いため、後から計画が変わってお金の配分を変えることもできます。

柔軟性という点では非常に優れたローン商品なのです。

以上が主なメリットです。まとめると「大きなお金を長期低金利で借りられ、審査も柔軟で使途自由」というのが不動産担保ローンの良いところです。

資産を持っている人にとって、それを活用して有利に資金調達できる手段であることがわかります。

不動産担保ローンの主なデメリット

しかしメリットばかりではありません。

不動産担保ローンには以下のようなデメリット・注意点もあります。

不動産を失うリスクがある

最大のデメリットはここでしょう。

返済不能に陥った場合に担保不動産が競売にかけられてしまうリスクです。

マイホームを担保に入れた場合、最悪の場合は自宅を失い住む場所を失うことになります。

これは心理的な負担も大きく、「家族に迷惑をかけてしまうのでは」と不安になる点です。

実際問題、返済が滞れば督促の後に一括返済を求められ、それでもダメなら裁判所を通じて競売手続きが進みます。

競売になれば市場価格より安く叩き売られてしまうケースが多く、借り手にお金が戻ってこないこともあります。

不動産担保ローンだけは絶対やめておけ」という掲示板の書き込みも、結局はこのリスクの大きさを警告したものです。

家や土地という大事な資産を担保に差し出す以上、「万一返せなかったら手放す覚悟」が必要となる点は最大のデメリットです。

諸費用や手間がかかる

不動産担保ローンを利用するには、手続きに伴う各種費用が発生します。

代表的なものは「抵当権設定登記費用」です。

司法書士への依頼料も含め、登録免許税(契約金額の0.4%)など数万円~数十万円単位の費用負担があります。

また金融機関によっては事務手数料や融資手数料が必要です。

住宅ローンでも手数料はありますが、不動産担保ローンでも借入額の数%(例:2~3%)の手数料が取られることがあります。

さらに、不動産の評価を外部に依頼する場合の鑑定料、ローン契約書に貼る印紙代、火災保険の加入(担保物件に火災保険が必要と言われる場合も)など、諸々の費用が発生しがちです。

無担保ローンならネットで申し込んで振り込まれるだけで済むのに比べ、不動産担保ローンは契約書類の取り交わしや登記など手続きが煩雑です。

時間も労力もそれなりに取られ、「ちょっとお金が必要」といった用途にはオーバースペック気味になります。

審査に時間がかかるし審査費用も結構かかる」という口コミもある通り、スピード重視・手軽さ重視の人には向きません。

金利が住宅ローンより高い

メリットの裏返しですが、「低金利」とはいえ住宅ローンほどではありません。

高いケースでは年10~15%にもなる金利負担は無視できないデメリットです。

特にノンバンク系では上限金利が14~15%に設定されている商品が多く、借りる側の状況によってはそれに近い金利が適用されてしまいます。

例えば500万円を年12%で借りると月々の利息だけで5万円前後にもなり、これはカードローン並みの負担です。

担保があるから安全」と油断していると、利息がどんどん膨らんで元金が減らない、という事態にもなりかねません。

したがって、不動産担保ローンを利用する際は金利条件をしっかり比較検討することが重要です。

他社でもっと低い金利で借りられないか、銀行系の商品は利用できないか、検討する価値があります。

また、場合によっては「不動産を売却してしまって必要資金を得る方が良い」ケースもあり得ます。

高金利で借り続けるくらいなら売却して現金化という選択肢も常に念頭に置くべきでしょう。

総量規制などで希望額を借りられない場合がある

ノンバンクの不動産担保ローンでは、貸金業法の総量規制が適用されるケースがあります。

特に自宅を担保にする個人向けの融資は総量規制の対象となり、年収の1/3を超える貸付はできません。

そのため、「不動産価値は十分なのに自分の年収が低いせいで希望額を借りられない」ということが起こり得ます。

例えば年収300万円の方が自宅(土地評価5,000万円)を担保に1,000万円借りたくても、総量規制上は約100万円(300万×1/3)までしか貸せない計算になります。

これは貸金業法上仕方ない制限です。

一方、銀行の不動産担保ローンは総量規制対象外なので年収に縛られず貸せます。

しかし銀行は銀行で独自の返済比率ルールなどがあり、結局は収入に見合った額しか借りられないのが実情です。

どちらにせよ、「担保価値さえあれば無限に借りられる」というわけではなく、借り手の返済能力も考慮されるため、思ったほど借りられない可能性はデメリットと言えます。

担保にできない不動産もある

すべての不動産が担保に適しているわけではありません。

例えば極端な田舎の山林や農地、再建築不可物件などは担保価値が低かったり流通性に欠けたりして、融資が受けられない場合があります。

いざ「不動産担保ローンで借りよう!」と思っても、自分の不動産が担保不適格と判断されれば利用できません。

また、既に他の借入(住宅ローンなど)の抵当権が付いている不動産は、第一抵当権でないと融資不可とする金融機関も多く、後順位(第二抵当以下)では借りづらいという問題もあります。

つまり、「せっかく不動産を持っているのに思ったように活用できない」ケースがある点はデメリットです。

事前に自分の不動産が担保に使える種類かどうか、専門家に確認しておく必要があります。

精神的なプレッシャーが大きい

不動産という大きな資産を背負っての借金になるため、心理的圧迫感があります。

家を失うかも」「親からもらった土地が取られるかも」と思いながら返済していくのは精神衛生上よくありません。

実際に、掲示板などでも「抵当に入れたら夜も眠れない」なんて声が見られます。

担保提供者が自分以外(親族など)の場合は、万一迷惑をかけたらどうしようというプレッシャーもあります。

こうした精神面の負担は数字に表れないデメリットでしょう。

以上が主なデメリットです。
まとめると「不動産を失うリスクと各種コストの高さ、そして条件次第では不利な点がある」といったところです。

メリットとデメリットのまとめ

長所と短所を一覧にすると次のようになります。

メリット: 高額融資・低金利・長期返済・柔軟審査・用途自由

デメリット: 不動産喪失リスク・諸費用手間・住宅ローンより高金利・総量規制等制約・担保不適格物件がある・心理的負担

要は「不動産という資産をテコに有利に借入できるが、その資産を失うリスクも背負う」という表裏一体の関係です。

他のローンにはないパワフルさがある反面、代償も大きいので慎重な利用が求められます。

利用者の声

不動産担保ローン経験者の口コミを見てみると、「審査に通りやすくて助かった」「>銀行では無理だったがノンバンクで借りられた」という肯定的なものがある一方、「結局家を手放す羽目になった」「金利が高くて返済がきつい」といった否定的なものもあります。

例えばYahoo知恵袋では、投資に失敗して不動産担保ローンで挽回しようとした人に対し「その不動産は売ってまず窮状を脱するべき。不動産担保での借金は可能だが高金利で掛目(評価に対する融資割合)も低い」との厳しいアドバイスが寄せられていました。

また別の回答では「街金(町の金融業者)は不動産担保融資が本業です。ただし自宅に抵当を打つ場合は総量規制が適用され無理。親が残した収益物件なら貸せるが、自宅は難しい。借りた金を投資に回すのはお勧めしません。借金で投資すると破産しても免責が下りないですよ」といったリアルな指摘もありました。

このように利用者・専門家の声からもメリットとデメリット両面がうかがえます。

結論: 不動産担保ローンのメリット・デメリットを理解した上で、自分の状況に照らし合わせてみましょう。

担保にできる不動産があり、計画的に返済できる見込みがあるなら強い味方になります。

しかし将来の返済に不安が大きいなら、安易に手を出すと取り返しのつかない結果を招くかもしれません。

慎重に検討し、必要なら専門家にも相談した上で判断することをおすすめします。