質問1
まだ住宅ローンが残っている持ち家があります。
この家を使って不動産担保ローンを新たに借りることはできますか?
回答

ポイントは、既に住宅ローンの抵当権がその家に設定されている点です。
現在の住宅ローンを貸している金融機関が第一抵当権者として登記されています。
その状態で新たな融資を受けるには、第二抵当権を設定する形で担保に入れるか、もしくは住宅ローンごと借換えて追加融資を受ける形になります。
第二抵当で借りる場合
多くの銀行は二番抵当の担保には消極的ですが、ノンバンク(消費者金融系・信販系など)の中には「第二抵当でもOK」とする所があります。
例えば「ユニバーサルコーポレーション」という会社は「抵当権不問」と明言しています。
この場合、あなたの家には第一抵当(住宅ローン)と第二抵当(新たなローン)の2つの抵当権が付くことになります。
もしあなたが返済不能になり競売となれば、第一抵当の銀行が優先的に回収し、残れば第二抵当のノンバンクが回収となります。

第二抵当ローンでは、担保評価から第一抵当の残高を差し引いた残りの範囲内でしか貸してくれません。
例えば家の評価が3,000万円、住宅ローン残高が2,000万円なら、差引1,000万円が担保余力となります。
この範囲内でさらに安全率を見て「せいぜい500万円まで貸しましょう」といった具合です。
金利は第一抵当のローン(住宅ローン)は低いですが、第二抵当のローンはそれより高めになります。

借換え+増額(カッシュアウト)
もう一つの方法は、現在の住宅ローンを別のローンで借り換えしつつ追加融資を受ける方法です。
例えば住宅ローン残高2,000万円のところを、新たな不動産担保ローンで2,500万円借りて住宅ローンを一括返済し、手元に500万円を得る、といった形です。
これなら担保は第一抵当のまま(新ローンが第一位)で済みます。
問題は、住宅ローンより新ローンの金利が高い点と、住宅ローンにはあった団信などの保険が無くなる点です。
また、銀行の住宅ローンを借換える場合、その500万円の使途を問われる可能性があります。
「生活費のため」では銀行は貸しづらいので、事業資金やリフォーム資金など合理的な使い道を説明できると良いでしょう。

その他の留意点
住宅ローン契約の条項
住宅ローンには「無断で第二抵当を付けた場合、ローン全額を直ちに返済せよ」という約款がある場合があります。
実際に即刻ペナルティになる例は稀ですが、契約違反には違いないため、事前に住宅ローン先に相談したほうが良いこともあります。

返済計画の綿密化
二重にローンを抱えるわけですから、毎月返済額も二重になります。
「住宅ローン+新ローン」を無理なく払っていけるか、慎重に試算してください。
特にノンバンクの担保ローンは期間を長めに設定してくれることもあり(月々の返済を抑えられる利点)、その点は救いですが、総返済額は増えるので計画的に。

第二抵当ならではのリスク
先述の通り、万一競売になると第二抵当権者は不利です。
なので第二抵当ローンの会社は状況が悪化すると早めに行動(任意売却を提案するとか)してくるかもしれません。
第一抵当権者も、自分の担保の後ろに他社が入ると知れば警戒します。
要は関係者が増えるので、シンプルな単独ローンより処理が複雑になります。

質問2
現在住宅ローンを払っていますが、他にも急な資金需要があります。
不動産担保ローン以外に方法はありますか?
回答

銀行のフリーローンやカードローン
収入と信用に問題なければ、無担保で借りられる商品を検討しましょう。
住宅ローンがある人向けに低金利のカードローンを提供している銀行もあります。
ただし限度額は年収等によりますし、総量規制の対象(銀行は自主規制)なので大きな額は期待できません。
リバースモーゲージやリースバック
もしご本人が高齢で、なおかつお子さんが独立しているような場合、自宅を担保にお金を借りて毎月利息だけ払う「リバースモーゲージ」や、自宅を売却してそのまま賃貸で住み続ける「リースバック」という選択もあります。
リースバックはローンではなく売却ですが、住宅ローン中でも実行可能な場合があります。
持ち家を手放すことになりますが、資金確保の手段として最後の手段になるでしょう。
親族からの借入
親兄弟などからお金を借りられるなら利息も付かず安心ですが、まとまった額だとかえって気まずくなることもあります。
また、親族と言えど借用書は交わしてください。
後々税務署から「それは贈与では?」と指摘されぬよう、利息なしでも良いので契約書を作りましょう。
もちろん返済計画も明確に。
以上を踏まえると、不動産担保ローンは住宅ローン利用者が追加資金を得る有力な手段です。
「二番抵当でも融資可」のノンバンクを上手に使えば、銀行では難しい融資も受けられる可能性があります。
ただし金利やリスクとしっかり向き合った上で利用してください。
